社会人になると新しいことを学びにくくなるので、学生時代の学びをいかに引き出せるかが勝負になります。
うわべだけの知識ではなく、原理原則をふまえて理解したことが、その人だけの知的資産になります。
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学生時代の知識が武器になる
新しいモノを創り出すためには「観点の違い」が問われます。
今あるものをどういう切り口で見るかということです。
今あるものをどういう切り口で見るかということです。
学生時代の専攻分野には、それぞれ特有の観点があります。
各々の観点を磨いて結びつけることによって、オリジナリティある製品を生み出せます。
各々の観点を磨いて結びつけることによって、オリジナリティある製品を生み出せます。
例えば当社では、混ざりにくい分子同士を混ざりやすくするポリマーが製品化されています。
このポリマーの構造は、親水性ブロックと疎水性ブロックに分かれています。
洗剤のような機能を持たせる設計思想が成功したのです。
このポリマーの構造は、親水性ブロックと疎水性ブロックに分かれています。
洗剤のような機能を持たせる設計思想が成功したのです。
「界面活性剤の分野」と「高分子の分野」とが融合した一例です。
そして日常業務においても、誰かが分からないことを簡単に理解・説明できることは想像以上に大きな力になります。
例えば私は、B4~M2の3年間、遠心分離をやり続けていたおかげで、会社では「遠心分離のことはrumaasa君に聞けば一発だよ」と言われています。
近隣の部署から遠心分離について教えてほしいとお願いされることもよくあります。
近隣の部署から遠心分離について教えてほしいとお願いされることもよくあります。
自分だけが理解・説明できることがあれば、会社で生き残る武器になりますし、培った知識を人の役に立てることができます。
学生時代に知識を培うべき理由
社会人は新しい事に手を出しにくい。
自由に使える時間が激減するためです。
そして年をとるに伴って失敗を恐れ、新しい分野へこぎ出しにくくなります。
私が社会人になって実感したのは「コスト感覚が学びの邪魔をする」ということです。
社会人になって、仕事を時間内に収めるクセがついてしまい、日常生活でも「これをやることに意味はあるのか」という「時間的コスパ」を気にするようになりました。
深い学びを阻害していると感じます。
なので、時間と気持ちに余裕がある学生時代のうちに、深い知識を蓄えておきましょう。
今学んでいることを、集中して学びきる
将来使うかどうかは考えずに、まずは今手がけているスキルを完璧にしましょう。
いつどこでスキルを発揮する機会が来るのか、予測できないからです。
私も、まさかバイオ系の遠心分離の技術を、ポリマーのものづくりの場で活かせるとは思っていませんでした。
資産化するコツは「原理原則から」
形だけなぞってスキルとしても、やり方を忘れてしまいます。
たとえば統計。
Excelを使うと、統計の求めたい値がパッと出てきます。
Excelを使うと、統計の求めたい値がパッと出てきます。
「標準偏差は『STDEV関数』を使えば出てくるよ」という具合です。
しかし、スキルを使う間隔が空いてしまうと、なぞった形が風化します
・あれ?関数の名前は何だっけ?
・STDEVとSTDEVPがあるぞ?どっちを使うんだっけ?
・サンプル数がn=3しかなくてもSTDEVを使えるのか?
という具合に、自分のスキルに自信が持てなくなります。
一方、原理原則を押さえると、確固たる知識のコア=知恵を自分の中に抱くことができます。
この「知識のコア」は、滅多なことでは風化しません。
これこそが「その人だけの知的資産」となるのです。
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勉強にやる気が出ない。
そんなときは、「自分の資産を築くんだ!」と視点を変えると、やる気が湧くようになるかもしれません。
どんな学びでも、どこかで必ず活きてきます。
社会人になって、そのことを毎日実感しています。
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