高圧ガス甲種化学の合格体験記も、シリーズ3回目となりました。
第1回は、高圧ガス甲種化学の合格体験記として、試験の概要と難しさについて述べました。
【参考記事】
第2回は、この難関試験の攻略に向けて私が立てた戦略について書きました。
【参考記事】
今回は、高圧ガス甲種化学を難関試験たらしめている「学識」に絞って、私がとった勉強方法を紹介します。


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学識における単元の個数
学識は、大きく以下の6つの程度の単元に分かれています

① 気体の一般的性質
② 気体の熱力学
③ 気体の化学反応
④ 燃焼・爆発
⑤ 毒性ガス
⑥ ガス各論

それぞれが10~20ページ近くあり、すべてを押さえるのはなかなかに時間と気力が要ります。


学識の勉強の進め方

以下、私が効果のあると感じた勉強法を紹介します。

進め方①:原理原則をしっかりと理解する

まずはテキストを一から読み始めました。
読む中で数式に出会うと、そのたびに意味の理解に努めました。
式の丸暗記「だけ」で試験に臨むことは避けました。

基本的な公式は、テキストに書いていない導出過程から追っていきました。
調べ方としては、インターネットで調べたり、教科書にあたったりしました。
基本を理解した上で、頻出の式はさっと書けるように丸覚えしました。

試験は丸暗記で対応できるものではありませんでした。
原理から覚えた方が、遠回りのようで近道だというのが、実際に試験を受けた感想です。

私自身、計算問題から入って勉強の手間をショートカットしようとしたこともありましたが、少し問題が捻られると手も足も出ず、却って効率は悪かったです。

また、原理を学ぶことで、仕事にも大きく活きる知識がつきました。
試験範囲と直接に関係はありませんが、導出における微積分のやり方などを思い出せて、科学的な考え方をするいいリハビリになりました。

ちなみに私は、この試験の勉強に打ち込んだことがきっかけで、自分の研究分野を一からしっかり勉強しようというモチベーションが湧きました。


進め方②:簡単な問題を解く
私は1単元を読み切るごとに、その単元の章末問題に挑戦していました。
テキストには各単元5~6個は章末問題があるので、基礎的な事項の理解度をそこで確認できます。
khk-3-1


進め方③:過去問を解く
章末問題が解けるようになったら、過去問に挑戦しました。
khk-3-2
そして、過去問を5年分程度解いてみて不安が残るようであれば、計算問題集にチャレンジしました。


・計算問題集は必要ない
高圧ガス保安協会では、高圧ガス甲種試験用の「計算問題集」が売られています。
4000円程度の値段で、直近20年程度の計算問題が集められています。

個人的には、検定を合格するにあたっては計算問題集に手を出すまでもないと感じました。
その手間暇があれば、章末問題と過去問を押さえ直した方が検定合格に直結します。


毎日の勉強のペース
平日は1~2ページ/日、休日は4~5ページ/日程度のペースで、ゆっくりじっくり取り組みました。
ペースは遅かったですが、分からないなりに努力して原理原則をのみ込もうとしました。
このおかげで「考えて解く力」が深まりました。
試験本番では考えて解く問題が思ったよりも多かったのですが、この取り組み方のおかげで何とかなりました(笑)

ペースありきで読み進めてしまうと、どうしても理解しきれず丸暗記の部分が出てしまいます。
学識の問題は、ほぼ全ての分野が万遍なく出題されます。
加えて、各単元が良く組み合わさっています。

つまり、理解の足りない「穴」が一つでもあれば、それが必ず足を引っ張る構造になっているのです。


学識を勉強する上での鉄則
「原理原則を押さえる」→「その上で頻出事項を丸暗記する」
このやり方を強く勧めます。


次は、学識の各単元について「頻出」「時たま出る」「全く出ない」とカテゴリ分けした記事をお届けします。


高圧ガス甲種化学の合格体験記④。学識で出るところ、出ないところ