前回は、高圧ガス甲種化学の合格体験記として、試験の概要と難しさについて述べました。
【参考記事】
高圧ガス甲種化学の合格体験記①。どんな試験か、どのくらい難しいのか

今回は、この難関試験をどうやって合格しようかと私がとった戦略について説明します。
甲種テキスト14次改訂版_640

※続きはこちらをご覧ください。
高圧ガス甲種化学の合格体験記③。学識の勉強方法

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高圧ガス甲種化学の合格に向けて私が立てた戦略

非常にシンプルで、「検定に何としても合格する」というものです。
前回の記事を見てもらえれば分かる通り、難易度は国試の方がはるかに高いからです。

国試における学識の難易度は、検定のそれをはるかに上回ります。

  学識(国試)>>>>>>【越えられない壁】>>>>>>学識(検定)

(この表現古いですかね…見覚えなかったらスミマセン(笑))

また、検定に合格しないと国試は3科目受験となります。
国試の学識1科目でも難しいのに、保安管理と法令の勉強も並行しなければなりません。
時間の無い社会人にとって、それは不可能だと直感しました。

この記事をご覧になっている皆さんには、「4月~5月にある検定に合格する」戦略を全力でお薦めします。


勉強に入るまでの下準備(学識と保安管理)
良い成果を達成するには、しっかりとした計画を立てることが不可欠です。
私が働きながら検定に合格できたのは、面倒くさがらずに計画を考え、それなりの計画を立てることができたからだと思っています。

私は4月~5月にある検定に合格するために、前年の12月から勉強を開始しました。
約4ヶ月の勉強期間が取れる計算です。

12月の勉強スタートまでに、以下の5点の準備を行いました。


準備①:教材を入手する

まずは、職場の先輩からテキストと過去問をいただきました。
化学メーカーであれば、過去に同じ試験を受けている先輩がいることでしょう。
テキストも過去問も、数年前のものであれば問題なく使えます。
私は10次改訂版(最新は14次改訂版)を使いましたが、問題なく合格できました。

※同じ職場に経験者がいない場合
通販を使って過去のテキストを入手しましょう。
Amazonであれば格安で入手できます。



準備②:出題範囲を把握する
次に、テキストを使って全体の範囲をざっと俯瞰しました。
するとラッキーなことに、先輩が受けた講習で「出る」と言われるところにアンダーラインが引いてありました。
その部位のみを押さえるように計画を立てました。

※書き込みなどのないテキストの場合
①過去問を数年分解いて、頻出範囲を押さえる
②このブログの「H29年度 講習で出ると言われたところ」という記事を参考にする
高圧ガス甲種機械の方でも、「保安管理」は機械・化学で共通ですので、その項は参考になると思います。

※ 保安管理については現在鋭意執筆中です(o_ _)o

「書き込みの無い部位から出題されたらどうするんだ?」という悩みはあると思います。
私が試験を受けた中では、書き込みがされていない箇所から出題されることはほぼありませんでした。
出題範囲はある程度絞り込まれているのだと思います。


準備③:毎日の勉強時間を決める
私は、毎日できるだけコツコツと進めるようにしました。
意識の定着が捗ると考えたからです。

具体的には、平日は朝の30分、休日はそれぞれ2~3時間ずつ時間を割きました。
あとは、テキストをちぎって職場へ持っていき、休憩時間などに目を通すようにしました。

khk-2

※ テキストをちぎった小冊子

勉強する科目は、学識と保安管理技術に絞ることにしました。
検定に受かることが何よりも大事だと考えたからです。
法令は検定に受かってから勉強することにしました。


準備④:毎日の勉強の進め方を決める
私は、学識と保安管理を出来るだけ同時並行して進めました。
先の記事にも書いたように、学識と保安管理の「両方が共に6割以上」でなければ合格できないためです。

ここは何度も書いておきますが、重要な点です。
なぜかというと「学識と保安管理の合計が6割を超えればよい」と勘違いされる方が非常に多いからです。

学識で100点を取っても、保安管理で59点であれば不合格となってしまいます。
(私の友人はこのパターンで検定を不合格になっていました…。)

学識と保安管理を同時並行で進めれば、どちらか一方をカバーしきれなくなることを防ぐことができます。
また、試験までに間に合わなさそうだと気づきやすく、計画の修正が容易になります。


準備⑤:前倒しがちな目標を決める
私は「検定前の講習までに、学識と保安技術の範囲を一通り終わらせる」という前倒しの目標を立てました。
なぜなら、講習で知識を得るには、事前に試験範囲の内容を理解しておく必要があったからです。

講習の先生は、非常に当たり外れが大きいことで有名です。
ある地域の講習では出る範囲を親切に教えてくれたが、別の地域の講習ではヒントすらくれなかった、ということがあります。
加えて、講習の2~3時間で膨大な範囲(500P以上)すべてを説明しようとします。
従って、かなり端折った舌足らずの説明になります。

すなわち、「講習で一から学ぼう」という受け身の姿勢では、学べることは非常に少なくなってしまいます。

講習までに出題範囲は全てカバーし、講習では講師の方の素振りに着目して「ここが出そうだな」とアタリをつけるようにしましょう。
私はそうすることで、ヤマを張ることに成功することができました。

ぜひとも、年度始めの講習までに、全範囲をカバーしておくことをお勧めしておきます。

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今回はここまでにします。

次は、難関科目「学識」の勉強の進め方について説明したいと思います。

高圧ガス甲種化学の合格体験記③。学識の勉強方法