僕は陸上競技(短距離・跳躍)が苦手で、勉強の類は比較的得意な方だ。
短距離走はいつまで経っても初級者の域を出ない。一方で英語や資格試験の勉強などは「中級~上級者」といっても差し支えないレベルには達している(と思いたい)。
陸上は初級者のままで、勉強はそれよりは簡単に中級~上級に上がることができる。
その違いは何だろう、ずっと考えてきた。
そこで思い当たった仮説が「初級と中級、それぞれの山では『難関になる要素』が異なるのではないか」というものだ。
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以下、上達するプロセスを「山」に例える。
スポーツであれ、勉学であれ、仕事であれ、どんな分野でも、上達の山を登らなくてはならない。
初級者が中級者に上がるために登るべき山は、例えるならハイキング用の低い山。
一般的な山と同じだけの険しさはあるが、道は舗装されており歩みやすく、分岐路も少ない。
一方で、中級者が上級者に上がるために登るべき山は、例えるなら本格的な登山用・あるいはサバイバル訓練用の山。
こちらも普通の山と同じだけの斜度だが、標高は高い。
また舗装道路などなく、岩や大木、沢が至る所にあり、藪をかき分けて進まなければならないこともある。
この上達の山を登るにあたって、登山者が「難関」とする要素は以下の2つと考える。
①:山の斜度
②:ルート選び
①山の斜度は、体力を奪う一番大きな要素だ。
また②は、いかに岩や木や川などの障害物を避けて、体力を温存しつつ時短で登ることができるか、に関与する。
の①②の両方が、初級→中級の山、中級→上級の山、それぞれに存在する。
しかしその寄与率は、2つの山で大きく異なる、ということに気づいた。
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初級→中級の山はハイキング用の低い山で、歩むべき道はほぼ明確に示されている。
しかし斜度はそれなり(普通の山レベル)にはある。
加えて、初級者は山登りに慣れておらず、山が持つ斜度そのものに大いに苦しめられる。
ここでいう「斜度」とは、上達という山を登る=上達のために高頻度 & 習慣的に何かをすることそのものに必要な心身のエネルギーの消耗を指す。
気力だけでゴリゴリ進むといつかバテてリタイアするし、進むペースが速すぎても同様にバテる。
自分の歩みやすいペースに則した歩み方を見つけなければならない。
また登るべき山がどの分野に属するか、によっても、斜度は異なる。
勉強の山とスポーツの山では、その斜度は大きく異なるだろう。
そして車や自転車をイメージしてもらうと分かりやすいが、目の前の斜度に不適なペースをいくら続けても、その斜度に適応はしない。
5段階あるギアを一番重い5にセットしても斜度20%の急勾配はほぼ登れないし、一番軽い1のギアでは3%の低勾配は速く進めない。
目の前の山の勾配に則したペース(ギアの設定)は、自分の進みやすいペースも加味して、自分で設定しなければならない(ここ重要!)。
一方で中級→上級の山は、本格的な登山用の山。
こちらは斜度こそ初級の山と同じだが、道は未舗装で、岩やら崖やら藪やらが乱立している。
それらをいかに避けて山を登るか=効率的なルート選びがキモとなる。
一方で、中級者ともなれば山登りには長けていて、自分に最適なペースを基に(ここ重要!)、目の前の斜度に適切なペースを選択し、体力のロスを少なくして進むことができる。
なので斜度=学習や練習に使う心身のエネルギー≒辛さ・苦しさ・めんどくささ...に耐えること、は、登山を苦しめる主要因にはなりにくい。
しかし道選びを誤ると、体力ばかりロスして一向に頂上に近づけない、ということが往々にしてある。
ひどい場合には、越えられない岩をひたすらジャンプで超えようとしたり、川を避けようとして同じところを延々とグルグル回ったり...。
いずれも体力のロスはあり、ある種の「やった感」的な手ごたえは感じるので、どうしても「これでいいんだ」と思い込みやすくなってしまう。
ここが中級→上級の山を登るうえで一番苦しめられる要素ではないかと考えた。
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長々となってしまったが、要は以下の2点だ
・躓く要因は、初級→中級か中級→上級かで全く異なる
・いずれも「自分なりの/自分だけの最適な歩み方とそのペース」を持てているかが決定的
僕の場合、陸上がいつまで経っても初級レベルのままなのは、「自分なりの歩み方とペース」を体得できていないことが主要因だと考えられる。
実際に振り返ってみると、これまで相当な種類の練習方法に取り組んできたが、いずれも最初の数ヶ月はやる気ブーストで張り切る→3ヶ月程度で燃料が切れて燃え尽き→全く別の練習にシフトする...というやり方を繰り返してきた。
その根本にあったのは「人はこれだけの練習をしている。だから僕も人と同じペース・量の練習をやらなければいけない」というペースの画一化だった。
そうではなくて、あくまで「今現在の自分が心地よく・無理のないように続けていけるペース・量」まで落として(レベルを下げて)実行すべきだった。
そのカギを握るのは、僕の場合「今の僕はこれだけしかできないけど、それも自分」と今の自分を許せる優しさと、「練習とは擦り切れてボロボロになっていない限りはできる限りのペースで & 他の人と同じだけの量・ペースを守ってやるべきだ」という画一化の呪いから脱することだと感じている。
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ここで見出した知見をこれからの自分に当てはめて、少しでも陸上競技のレベルアップを図りたい。
この気づきが上達に向けて励む、けど挫折してしまう...そんな方々の一助となれば、僕も嬉しい。
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