【2年計画】公害防止管理者試験(大気1種)合格体験記【浪人体験記】
※2024年12月2日に当該試験の合格を公式HPにて確認しました。
公害防止管理者の大気1種の受験。
昨年の受験(1回目)では、2科目を取りこぼし、今回再受験の運びとなった。
そして今回、自己採点の結果、幸運にも合格判定となった。
この記事では、今回合格に至った勝因と、試験で見えたものを列挙していきたい。
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〇前回のあらすじ
前回の受験では、3科目(大気概論、ばいじん・粉じん特論、大気有害物質特論)は例年通りの難易度で合格も、2科目(大気概論、大規模大気特論)は不合格となった。
↓は前回の記事(こちら)からの抜粋。
大気概論 9/10(90%)
ばいじん・粉じん特論 15/15(100%)
大気特論 5/15(33%)
大気有害物質特論 9/10(90%)
大規模大気特論 5/10(50%)
(公害総論は水質一種取得時に合格したので免除)
大規模大気特論は例年通りの難易度(僅かに難化?)で、単に勉強不足。一方、大気特論は過去最大級の難化で、得点率は僅か33%(5/15!)
しかし主要因は勉強不足、もっと切り込むと勉強方法の方針がズレていた。
そこで今回は新たな勉強方針で、1年間を浪人として過ごしてきた。
そして昨日、2回目の受験が行われたので、その結果を報告する。
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〇自己採点の結果
結果から言うと、2教科とも合格できた。
自己採点の結果は以下の通り。
(解答は公式HPより入手)
(解答は公式HPより入手)
・大気特論:15/15(100%)
・大規模大気:8/10(80%)
今回の傾向としては、
・大気特論:前回より大幅に易化(例年通り~やや難?程度)
・大規模大気:前年とほぼ同じ(例年よりはやや難、程度)
という印象を受けた。
いずれもネットでの評判の収集および同試験を受けた同僚へのヒアリングも行ったのだが、的を大きく外れてはいないと思う。
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〇今回の勝因
今回、僕が幸運にも合格できた要因は、主に以下の2点だと感じている。
① 公式の教科書(電話帳)を読み込む期間を設けた。
② 過去問を解き、「間違えた問題」および「合っているが記憶に自信がない問題」は、都度書き起こして覚えなおした。
以下、①②の説明に移る。
まずは①から。
前回の記事で、不合格だった2科目に共通した敗因として「圧倒的な教科書の読み込み不足」が挙げられた。
そこで今回の受験では、「まずはきちんと下地を構築しよう」と考え、受験までの1年のうち10ヶ月を教科書の読み込みに充てた。
教科書の読み込み10ヶ月 → 過去問のやり込み2ヶ月
具体的には、平日の仕事の休憩時間のうち10分程度を充て、1日に3~5ページ程度を読み込んでいく、という風に進めた。
僕は人よりも神経が過敏のため、休日はしっかり休まないと身が持たない。
また、趣味(当時は気違いレベルで労力をかけていたが)の陸上競技の練習もやりたかったため、空いた時間となると↑の10分間しかなかった。
だから他の人よりも割いた時間は圧倒的に少ない。少なくとも、イレギュラー含めても1時間以上まとめて勉強をしたことはない。
10分しか掛けられないから、何とか集中力が保ってくれた側面もあった。
教科書を読み込んでいくのはひどく退屈で、たとえ10分でも最後の1~2分はただ文章を追っていくだけ...になるときも多かった。
そんな時は無駄に集中しようとせず、休みたいからさっさと切り上げた。これが逆に良かったのかもしれない。
目立った息切れを起こすことなく、コンスタントに10ヶ月、読み進めることができた。
それでも、繁盛期だったり疲労が溜まったりしたときは読み込みができず、1週間読めなかった時期もざらにあった。
最終的に、大気特論は3周、大規模大気は2周できた。これが多いか少ないかは分からない。
ただ今だから言えることは、「この時期の読み込みでベースが出来ていたからこそ、今回合格することができた」ということだ。
今回の問題は、とりわけ教科書に記載の文章がそのままヒント/解答になる...というものが多かった(ネットでの評判でもそうらしい)。
僕は↑の問題はほぼ全てクリアできたが、問題を解く中で「この文章は教科書に載っていたな」というものは全てフラッシュバックで記憶から出てきた。
時間をかけて己の内に教科書を染み込ませたから合格できたのだと、振り返って思う。
ただ、この教科書の読み込みだけでは、今回合格することはできなかったと思う。
なぜなら、②で成し遂げた「内容の刻み込み」も、今回の解答の50%以上を占めていたからだ。
...では、②の説明に移る。これは浪人生活のうち最後の2ヶ月間を充てた。
ぶっちゃけると、①も後半はだいぶ気持ちがなえてきて、他にしたい勉強もあったので、「受験したくねぇ」「もう不合格でもいいや」と
7月あたりはモチベーションが底辺だった。
さすがに8月に入ると「これは本腰入れて対策をしないとヤバいな」と危機感が募ってきたので、ひとまず8月1日から、過去問を解くことにした。
過去問は過去14年間を計2周した。
使用させていただいたのはこちらのHP。多くの方がお世話になっていると思う。
今回のミソは過去問を解いた後の処理だ。
前回は「過去問を解いたらそれで終わり」だった。
対して、今回は↑の反省を活かして、「間違えた問題は無条件で答えを別の紙に書き写し、後日1回は必ず見返す」をマイルールとした。
加えて、「問題にある選択肢5つのうち、ピンとこなかったもの/暗記が100%でないものも必ず書き写す→見返す」を徹底した。
具体的なやり方として、僕は↓のように進めた。
・問題文のみを付箋に書き込む→A6サイズのミニ手帳の見開き左側に張る。
・1~2日後に問題文を見返し、解答を別の付箋に書き込む→A6手帳の見開き右側に張る。
・さらに後日、↑の問題文を見返し、解答を暗読→右側に張った答えと合っているか確認する。
この作業は丁寧に、かつサボリなくやった。
このおかげで、類文の類は全て答えることができるようになったし、他の方々が躓いた箇所も(教科書の隅をつつく悪問だ!とネットで悪評の問題ですら)一瞬で自信を持って答えることができた。
間違えた問題・自信のない設問はひと手間かけて抽出し、見返して刷り込んでいく作業は必須だと感じた。
間違えた問題・自信のない設問はひと手間かけて抽出し、見返して刷り込んでいく作業は必須だと感じた。
...ちなみに過去問を解く作業自体も、僕はサボリを加えていて、
① 大気特論の計算問題以外の部分(概ね13問)
② 大規模大気特論(毎年10問)
③ 大気特論の計算問題(概ね2問)
1日で解くのは↑の①~③のどれか1つのみとしていた。
この区切り方であれば、1回の勉強時間が長くて20~30分で済むので、前述した紙への書き出しもダレずに行うことが出来た。
(大気特論の計算問題はヘビーなので、できれば分けて勉強することをお勧めします)。
...以上が今回の勝因である。
一言でまとめると「基礎基本(教科書と問題集)を、時間をかけて丁寧に固めた」になる。
...自分で書いておいてアレだが、すごく地味だ。
でも、地味を極めた中に本質はあると今回の試験で痛感したし、無理のない範囲で長期間ダレずに取り組むことでしか、確固とした基礎基本は身につかないと実感している。
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〇最近の傾向
今回の試験で感じた、公害防止大気1種の近年の傾向は以下の通り。
① 教科書に記載の文章(および図)の丸暗記が必要な問題が増える(頻出箇所のみ)。
② 前年の難問が形を変えて出題される。
③ 極端に難化した科目は次年度はきちんと易化(修正)される。
①に関しては、大気特論を例にとると、2年連続で図の丸暗記が必要な箇所が出てきた。
(昨年は空気比-サーマルNOxの発生量のグラフ、今年は油バーナーの模式図)
また、特に大規模大気特論においては、教科書の丸暗記がないと到底解けない問題(代表例としては予測モデル)が増えている。
なので、教科書は頻出箇所に絞り、その部分を丸暗記レベルまで読み込むことをお勧めする。
②に関して印象に残っているのは、今年の大気特論の問15である。
(5)において、NOとNO2をそれぞれ測定できるか否かが問われているのだが、この問い自体が昨年度は丸々設問となっていた。
(R5年度問15:『JISによる排ガス中の窒素酸化物自動計測器において、その測定原理からNO及びNO2それぞれを直接測定できる方式の組合せはどれか。』)
昨年度の問15はなかなかの難問だと感じ、実際間違えた。
幸運にも今回はリベンジを果たせたわけだが、それは前述した対策②「間違えた問題は必ず書き写して見返す」のおかげだった。
これ以外にも、昨年や数年前の難問から引っ張ってきた設問が、近年は増えていると感じた。
今後はこのように「過去問のサルベージの仕方」がより巧妙に、かつ高難易度の部分で実施されそうだと感じている。
③に関しては、昨年と今年の大気特論がいい例だ(というかこの1例しかないので、半ばこじつけ?でもある)。
昨年の大気特論は、見た瞬間に「あ、これ無理」となる問題が半分以上を占めていた。
合格者の割合は、例年は受験生全体の5%程度はいるみたいなのだけど、昨年は僅か1%だったそう。
それに比べると、今年は例年通り~やや難程度と、昨年の悪夢からすると大幅に易化した。
正直、試験を受けるまでは、「昨年通りの難易度だったらどうしよう」という思いで吐き気が止まらなかったし、これがモチベーション低下の大きな一因だった。
ネットでも「この傾向(難化傾向)はこれからも続くのではないか」という推測が多勢を占め、不安で堪らなかった。
だが実際には、きちんと易化してくれ、平均的な難易度は保たれた(と僕は感じている)。
...ここで言いたいのは、「昨年は難化したからといって、受験自体を諦めてはいけない」ということだ。
どうしても心が折れそうになるが、そんな時こそ「大気特論は1年で易化したのだから」と思い出してほしい。
今年の大規模大気特論はやや難化したらしいが、来年は易化するのではないか、とも予想できる。
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〇おススメの勉強
最後に、この資格試験を受験する方々へのおススメの勉強法を以下に示す。
① まずは過去問を用意できる年数分、ざっと解いて頻出箇所を把握する。
② 教科書のうち、①の範囲を丸暗記レベルまで読み込む。
③ 再度過去問を解き、間違った問題・合っていたが100%の自信がない問題・記載内容に100%の自信がない設問を全て書き写し、後日見返す。
近年の傾向からしても、↑を①→②→③の順番で丁寧にきちんとこなせば、合格は手堅いのではないか...と感じている。
...逆に「やってはいけない勉強法」は、昨年の受験記事(こちら:不合格体験記)を見てほしい。
詳しくは割愛するが、要は丁寧にベースを構築せず、過去問頼みのやっつけ刃で臨んではいけない類の試験だ...ということだった。
この記事が、受験生の方々の一助となれば幸いである。
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P.S. コメント受付け再開いたしました。これまでは生活に余裕がなく、コメントを返信できずすみませんでした。
今後は返信を再開いたしますので、質問等ありましたらコメント欄へ記載をお願いいたします(2024.10.07現在)
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