この前、共同研究先とweb会議を行った。
僕は今の部署に異動して5ヶ月。まだまだ新人扱いで、そのweb会議の議事メモも必死こいて書いていた。
話があっちへ行きこっちへ行き、専門用語が飛び交う中、ついていくので精いっぱいだった。
だけど今回は、異動して5ヶ月間で感じた議事メモの勘所を僕なりに反映させることができた。

そしてweb会議は無事に終わり、議事メモを出席者へ送付した。
すると、僕の課の上長から「要点が良くまとまってるね。まさに痒い所に手が届く議事メモだ」と。
詳しく聞いてみると、僕なりに反映させた"議事メモの勘所"が、上長にとっても欲しいポイントだったとのこと。
僕なりに感じた勘所が合っていた、という事実が嬉しかった。

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今回僕が反映させた「議事メモの勘所」とは何か。
一言で表すなら「報告書を書く時に必要となる材料をメモせよ」ということだった。
この課に来て5ヶ月、以前の課と比べて少人数となり、上長との距離も近くなった。
そこで初めて知ったことは「管理職の方々は、僕たちが思っている以上に報告書に追われている」ということだった。

毎週発行する週報、毎月発行する月報。
その他にも、部長や本部長や社長、はては研究所に隣接する工場の幹部向けに、報告書や説明資料を作らねばならない。
そうした資料にまず必要なのは「今やっていることの概要を分かりやすく説明する文章」だ。
そしてそれと同じくらい必要なのは「データがどこまでの意味を持つのか的確に説明すること」だと、傍目で上司の仕事ぶりを見て感じた。

今回僕は、↑を念頭に置いて、以下の点を重点的に議事メモへ落とし込んだ
・共同研究先が示したデータのざっくりとした意味
・各データのp検定の値
・サンプルが何匹死んだか(n数の把握)
 (何が決まったか、など議事録の基本は抑えたうえで)

その結果、幸運にも冒頭の誉め言葉を頂くことができた。

先人が残した議事メモは、↑の点が無意識に反映された結果だと僕は思っている。
先人の議事メモを特に意識せずに読むと「なんでこの記述があるんだ?」「ここで文章が止まっているのはなぜだ?」といった疑問が湧くと思う(僕がそうだった)。
議事メモに何が書いてあって何が書いてないか。そこには必ず理由がある。それも上司絡みの。
そこを念頭に置かず、先人の議事録の書き方を真似するだけでは、100点には到達しない。

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本来「議事録」とは、会議で議論された内容を記録するためのものだ。
だから余すことなく全て書く...となると、書く側/見る側の両方にとって大きな負担になる。
しかも(あまり大きな声では言えないが)、少なくとも僕の部署では、議事メモは直属の上司以外はほぼ見ない。
多かれ少なかれ、どの会社でもそのような傾向にあると思う。
だから、その議事メモを見る人≒上司が、議事メモを見て取り組む仕事内容を考えると、"良い"議事メモになるのではないだろうか。
そして会社は階層構造である以上、上司がまずやることは上層部への報告である。
この点をくみ取って議事メモを書いてみることをお勧めする。

議事録は上層部への報告書を書くための材料だと認識すべし。