○同僚の報告内容への意見内容が評定されていた事実を知る
「ミーティングの資料作っといてね。資料内容も出した意見も評定内容なので」
↑の言葉は、兼務先の課長から先日言われたことだ。
...僕は新規用途探索係として、複数の研究室(部署)を兼務している。
今まで所属していた研究室を週4、新しい兼務先を週1で回している。
兼務先の部署からは、今までの所属先では知りえなかった情報が「えっ?」と驚く形で入ってくる。
その情報の約9割は、兼務先の課長がおしゃべりなために勝手に耳に入ってくる。
冒頭の言葉も、正に課長との雑談の中で入ってきた情報だ。
ミーティングの資料も、自分が出した意見も、評定の材料になる。
言われてみれば当たり前だが、僕は今まで具体的に意識したことはなかった。
・ミーティングの資料を作るのは、データを綺麗な形にまとめ、共有するのが好きだから。
・意見を出すのは、せめて何かアイデアを出さないと自分がその場にいる意味が無いと信じているから。
...要は「自分が好きだからやってる」のであって、「評定を稼ぎたいからやる」という意識は皆無だった。
-------
しかし、よくよく考えてみれば、これら「無自覚の積み上げ」が僕の身を助けている...そうとも考えられる。
僕は典型的なポンコツ社員だ。
コミュニケーション能力は人並以下だし、すぐ疲れてしまうし、耳が悪くて人の話を聞き取りづらい。
感情を表に出してしまうこともままあるし、思考の閃きといったセンスがあるわけでもない。
そんな僕でも、この研究所で8年半やってこれた。
そして、こんな僕を評価し期待してくださっている上司・同僚の方々も確かにいて、そういう雰囲気を肌で感じることもある。
それはなぜか。
答えの一つが「無意識に積み上げてきたものが効いているから」だ。
きちんと資料を作る。はっきりと意見を打ち出す。
他にも、手を動かすときはとことん実験する、検討内容をきちんとまとめて後世に残す、あいさつをきちんとする、後輩に声掛けをする、他の案件の進捗も知ろうとする、ゴミ出しを手伝う...。
例を挙げればキリがない。
こういう姿勢が周囲の方々に伝わって、今までの僕を助けてくれたのだと感じた。
こんなポンコツでもこの研究所でやっていけたのは、無自覚の積み上げがあったからだ。
-------
そして同時に感じたのが、「自分、このままだと積み上げが無くなってしまう」という危機感だ。
仕事に慣れてくるにつれて、↑で述べた積み上げができなくなっている自分に気づいた。
要はラクをしても仕事は(見かけ上)問題なく回るので、色んな所で手を抜いてしまうのだ。
しなくてもいいと思った実験はしない、思うところがあっても口には出さない、他人の案件はどうでもいいと放置する...。
文字にしただけで身につまされるが、実際その通りになっているし、何ならもっと酷い事例もある。
無自覚では積み上げは減っていくのみで、気づいた時点でテコ入れをするしかない。
今の僕に足りないのは、初心。
地味な積み上げをもう一度一からやり直す(しかも意識的に)必要がある。
意識をして何かをするのは、想像以上にしんどい。
しかし、そうした下積みを重ねることでしか、この先この研究所で生き延びる術はない。
気持ちを入れ替えて。今日から歩みを進めていく所存だ。
この記事を読んでくださった方々にも、今一度「地味なことをきちんとできているか?」を自分に問うてほしいと思う。
コメント