僕はこの研究所に勤めて9年になる。
新入社員時に配属されてからずっとここに勤めている。総合職では珍しいパターンだ。
(一説によるとあまりに使えなさすぎて研究所に置いておくしかないという...おっと誰か来たようd)
研究所での僕の担当業務は「新規用途探索」というものだ。
仕事の進め方としては、大きくは以下の2種類をやっている。
① 今保有している技術やモノを、頑張れば手が届く範囲内での新事業へ展開する。
② ざっくりとしたコンセプトを具体化できる技術とモノを調査・実証する。
どちらも「調査→得た情報を検証→実験を通して最適化...」という地道な作業の繰り返しだ。
僕はこの業務を単独で行っている。
仕事の内容上、チームワークが極めて難しいというのが理由。
協議している暇があったら、1秒でも早く新しいタネを見つけて試した方がいい。
この業務を2年弱続けて僕が至った結論だ。
単独≒好きなように仕事を進められる。これはある意味事実だ。
(しかし当然定期的な報連相や雑務は降ってくるわけで、その辺を勘案して=ではなく≒で表現している)
このフリーな状態まで持ってくるのに、なんだかんだで9年かかった。
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入社してから5年間は、チームワークの日々だった。
最初の3年間はチームの下っ端として、実験手法からデータ管理まで様々なやり方を学び、それから3年間はチームリーダー(紛い)として、実験計画を組んだりチーム員の悩みを聞いたりした(全くうまく出来なかったが)。
そして入社7年目から、今の新規探索業務を任されることとなった。
(もしかしたら入社8年目だったかもしれない。最近歳をとったせいか、昔のことを上手く思い出せなくなってきた)
人との繋がりは、温かく感じる時もあるが、縛りと感じる側面もある。
僕は入社~の5年間は、ずっとどこかで縛られる息苦しさを感じてきた。
そして単独業務となった今、ストレスを感じる機会は大きく減った。
僕と似た性質の方は、こと研究開発職においては結構多いのかもしれない...と思っている。
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研究開発は想像以上に縛りが多いし強い。
上記の「チームワークという縛り」の他にも、例えば「雑務の縛り」がある。
僕のいる研究所は古く、配管が工場から直引きされている。
その配管の劣化が進んで蒸気漏れなどが起こると、見つけた人が工事の依頼~監督までを担当しなければならない。
・工事依頼書を書いて工場の工務部へ提出し、
・実際の作業監督者と事前に打ち合わせを行い、
・当日は作業開始~終了まで安全確保の立ち合いを行わなければならない。
...文字にするとこれだけだが、実際には1週間丸々潰れることすらある。
また、強力な縛りの1つが「安全の縛り」だ。
何をするにも1つ1つがルール化されていて、思うように足を踏み出すことができない。
屋外へ出るときは何があってもヘルメットを被らなきゃいけないし、
靴擦れしてようがアキレス腱を切っていようが、工場指定の重くて固い安全靴を履かなければいけない。
地味にきついのが「通退勤時も長ズボン着用徹底」で、今年の猛暑の中では何回か熱中症になりかけた。
その他にも、安全関係の書類の作成(ヒヤリハット報告書、カイゼン報告書、安全会議の議事録...)はヘビーもいいところで、やりたい実験ができないストレスは半端ではない。
しかし、やはり年次を経るごとに、上記の縛りからは少しずつ解き放たれていくと感じている。
言い方は悪いが、どこで縛りを解いていいか(そしてどこで縛られているように見せかけるか)が分かるようになる。
そして僕のように、人との繋がりで生じる縛りからは自由になりやすくなる。
管理職の方々を見ていると、今度は「管理の縛り」が出てきてヒーヒー言われているが、やはり係長→課長→所長(部長)と段階が上がるにつれて、縛られている感は減っている。
今現在、強い縛りを感じている研究開発職の方々も多いと思う。
しかし、入社して10年ほど経てば、縛りのストレスは半分くらいには減っていると思う。
頑張らなくていいので、しばらくはその場に留まってみるのも1つの手だと僕は考えている。
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