陸上をやっている時の自分は、すごくブレブレだ。
あのトレーニングもいいんじゃないか?いやいやこの練習方法もいいだろう。
こんな具合で、1ヶ月もすると全く別の事をやっている。
効果のありそうな手法への目移りが激しく、自分がやっている事に一貫性が無く、その結果脚は全く速くなっていない。
研究をやっている時の僕は、自分で言うのもアレだが殆どブレていない。
手持ちの数少ない手法を駆使して、どうにかして新しい物性を出せないか考えて行動している。
使い古された2~3のやり方で、ゴリ押ししながら抜け穴を辛抱強く探っている。
結果が出ないのは承知の上で待てている。この時の自分は間違いなく良い姿勢だ。
2つの自分がいる。ブレる自分とブレない自分。
何が違うのか考えてみた結果、「情報に触れる頻度」だという結論に至った。
陸上に関しては、新しいやり方を見聞きするのが大好きで、しょっちゅうメディアをチェックしてる。
TwitterやYoutubeで得た情報は、あたかも「やれば強くなれる」と思わせてくれる。
手を出す。軸がブレる。速くならない。
一方、企業の研究開発においては、入ってくる情報は驚くほど少ない。
論文1本をとっても、お金を払わないと読むことが出来ない。
新しい手法を取り入れても、技術に習熟するには数年スパンの時間がかかると分かっているから、今の技術を応用させようと腐心する。
手法は手垢まみれだが、よそ見をしない(できない)分、軸はブレない。
情報に触れない方が、こういう職人技的な世界ではむしろいいのかもしれない。
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