僕が陸上競技の短距離走を始めて早1年と少し。
この1年、最低でも週4では欠かさず走ったし、それなりの強度も保ち、トレーニングも欠かさなかった。
なのに、殆ど全くといっていいほどタイムは縮まらなかった。
何故僕は速くなれなかったのか。この問いから始める必要がある。

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①同じ練習をただ繰り返してしまった
僕は「ただ1つの万能解」があると信じてしまうタイプで、これだと思ったメニューを毎回こなしていた。
例えば、週4の練習全てを200mx3のテンポ走にしたり、100mx5のB-UPにしたり...。
1ヶ月ほどで他の練習に目移りする→その練習を毎回続ける...という、金太郎飴パターン。

これの何が一番良くなかったかというと、慣れによって出せる強度の上限が知らぬ間に下がった事だ。
身体はラクをしようとする。
同じタイムでより速く走れるといえば、(長距離的には)聞こえがいいが、要は出力のオーバーフローが出せなくなってしまうという事だ。
トレーニングで大事なのは自分の101%を超える事で、それには興奮による"正のゆらぎ"が不可欠だ。
慣れてしまうと興奮しなくなる。すると天井を超える事がなくなる。


②回復を疎かにしていた
僕は毎回の練習で、疲労困憊になるまで走り込んでいた
疲労感こそが練習が上手くいったかどうかのバロメーターであり、極端な話、疲労感だけを頼りにしていた。
また、食事は低カロリーの野菜中心で、米も1日1合を超えるかどうか。
今思うと、身体が現状維持できるギリギリのラインだった。

今、必死になってカロリーを摂って疲労抜きに徹しているが、思うようにパワーアップは進まない。
感じるのは「現状維持から1%でも上向きに持っていくには、想像以上のカロリーとフレッシュさが必要だ」ということだ。

そしてもう一つ、筋肉の状態。
僕は毎日脚が疲労でキシキシに張っているのだけど、この状態で走っても得るものはないと(ようやく)感じれるようになってきた。
筋肉がキシキシに張った状態では何も吸収できない。


③心の奥底で望む目的がズレていた
正直に告白すると、僕はこの1年間「お腹を空かせる」「体重を落とす」の2点を目指していた。
脚が速くなりたいのは事実だったが、それ以上にこの2つに心を奪われていた。
僕は過去に何回か太った経験があり、痩せる事に関してある種の強迫観念を持ってしまっている。
そして、ご飯を美味しく食べるのが何よりの楽しみで、いつしかその快感に囚われてしまっていた。

この1年を振り返ると、毎日お腹はペコペコで、ハードトレーニングしても体重は増えず、見た目だけはキレキレの身体だった。
ある意味、望む通りの結果は出ていた。


④脳の限界値にアプローチできていなかった
①「同じ練習をただ繰り返してしまった」でも書いたが、僕は「自分の限界を超える」という観点を持ち合わせていなかった。
長距離的な考えのまま、「現状値の100%を出す」というスタンスを良しとしていた。

しかし、現状値の100%を出すという考えでは、現状値を上げることができなかった。
現状値の101%を出すというアプローチをもっと全面に押し出すべきだ。


⑤ワクで考えすぎてしまった
僕の練習のやり方としては「メニューを事前に決める→本番はそれをただなぞるだけ」というものだった。
目に見えるファクター(本数、距離、レスト...)を満たせば自然と速くなるだろう、と高を括ってしまっており、枠をなぞることで満足してしまった。
トレーニングにしてもこの考えで、筋肥大的には正解だが、身体全体のパフォーマンスを高めるにはあまりに機械的すぎた。

弱点を見出す観点、現状値を超えるという勢い...こういった工夫が削がれた。

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まだまだ原因はあると思うが、ざっと挙がったのはこの5点。
すぐに出てくる、ということは、それだけ身近に感じる≒主要因である可能性が高い、と僕は考えている。

出てきた要因に対してどうアプローチするか。
そもそもアプローチする勇気があるかどうかが一番大切だ。