暇な時に「もう1つやっとくか」と戯れでやった事が、今になってすごい勢いで活かされている。


僕は今、新規の案件を手掛けている。
顧客から環境対応型の製品の要望があり、製品の中の環境汚染物質(これ以上詳しく書くと身バレするのでご勘弁)を減らした改良品を作った。1か月前の話だ。

作った当時はお盆直前で暇だった。上司からは「1つの化学物質を減らしたサンプルAだけでいい」と言われたが、「どうせ暇だしもう1バッジ回しておくか」と、もう一つの化学物質を減らしたサンプルBも作ったのだ。

これが今、大当たりしている。
お盆明け、顧客にサンプルの話をしたところ、サンプルBに強い興味を示し、なんとそっちを提出することになった。そして今現在、暇つぶしで作ったサンプルBを主軸に話が進んでいる。


...この話はこれで終わらない。
顧客にサンプルを送るには、少しスケールアップして再調製する必要がある。そのスケールアップ時に、最後の最後でミスをやらかしてしまい、サンプルBの粘度が高くなってしまった。

仕方がないので、実験をやり直して、発送用のサンプルBを調製した。そして、粘度が高くなってしまったサンプルは"サンプルB-2"として、念のため保管しておいた。


最初にサンプルBを作ってから1ヶ月経ち、当時作ったサンプルBを見てみると、なんと使用不可能なレベルまで劣化していた。
しかし、粘度が高くなったサンプルB-2を見ると、劣化が進行していなかった。

この発見により、顧客に「サンプルBは劣化してしまいました、申し訳ありません」と早期に詫びを入れ、かつ「劣化に効く対策がありますので、それを踏まえてサンプルを再度お送りします」と先手を打つことが出来た。



僕が研究開発で学んだ事の1つは「ちょっとだけ手数を増やすと、必ず意味のある発見がある」というもの。
そしてその発見は、自分や周りをいい方向へ導いてくれる。


増やす手数は"ちょっと"でいい。
いつもかけている反応数より1つ少なかったら、そこに1つだけ新しい反応を加えてみる。今日は暇だから、空いた1時間のうち10分だけ使って、銘柄の勉強をしてみる。こんな適当さで十分。

経験上、「手数を増やすぞ!」と勇んでやったことは、思ったより役に立たない。あくまで「余裕をもってこなせる範囲で」「少しだけプラスする」がいいのだ。

僕は今、1回につき2バッヂの反応を回している。これを3バッヂにしようとすると、余裕がなくなりキツイ。なので、普段は2バッヂを確実にこなすようにして、何かの理由で1バッヂのみかけることになった時だけ、自分で考えた反応を1バッヂ追加するようにしている。

今の僕のキャパでは、これくらいが丁度良い。