今日の業務

・顧客へのサンプル合成(先週の失敗分)
・溶媒除去作業の仕込み
・銘柄の勉強

先週自分が犯した失敗の尻ぬぐい業務。
コロナ後の技術営業を見越して、銘柄の勉強をスタートした。
この類の勉強であれば、少なくとも周囲と軋轢を生む心配は無さそう。

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見方を変えると善にも悪にもなる話。


以前このブログに書いたが、僕は能力追及の道を諦めた(参考記事:やわらかな挫折)
天才になれるかもしれない遥かな旅路を歩むうち、人間を捨てる恐怖を感じて進めなくなった。
周りの人々と心を通わせたいと感じた。


世間の風潮からしたら"逃げ出した"事になる。
今の世間の是は「価値ある生き方は、己の能力を磨き、組織に頼らず生きて、仕事とプライベートを明確に分かつ事だ云々」。
そんな中、代わり映えしない日常、いつもの仕事仲間、半自動的な昇進...そんな伝統的日本企業のぬるま湯に浸かる。 
唯一無二の恋愛を経ない相手と結婚し、マイホームを夢見てあくせく働く...そんな一昔前のモデルケースに縋る。
僕の選択は堕落でしかない。


しかし、"逃げ出した"僕を、両親は褒めてくれた。
ここ数ヶ月間、天才に続く道を放棄した僕はやる気を失った。
バリバリ動けない自分が不安になり、心の平静を保とうとして、週末に親と電話して話を聞いてもらっていた。

電話で父は「社会で生きるとはそういう事だ」と言ってくれた。
明確な答えなんてない。大事なのは目の前の人を大事にして、その場に合った誠実さを発揮することだ、と。
「一歩前進したね」と認めてもらった嬉しさを、僕は忘れない。

これまでの僕のやり方に対しては、親は喜ぶどころか否定的だった
・母には「そんなに頑張らなくてもいいんじゃない?」と顔をしかめられ
・父には「もっと周りと仲良くやりなさい」とたしなめられていた。

僕は「旧時代の弱者的考えを押し付けるな」と反発し、分かってくれない事に憤慨していた。
しかしその実、心の片隅には「これでいいのか?」という罪悪感が常にいた。
親に認められたい、親の期待に沿ったいい子でいたい、と思っていた。

これも、世間の風潮からしたら"負けた"事になる。
旧時代の弱者的考えを振りほどけず、引き戻され、安穏とした生活に甘んじる道に堕落した、と。
親の考えなどという他者に思考を委ねた落第者だ、と。


しかし、僕自身、自己の選択を「逃げ出した」ではなく「前進」と感じている。
天才の道を降りると決めて以来、心に温かく力強いエネルギーが湧きだしている。
これまで自分独りのために使っていた時間と労力を使い、誰かの役に立てる。そのことへの期待と希望で胸が膨らんでいる。
対して、独り粛々と勉強を重ね"自分磨き"をしていた時は、心が文字通りカラカラに乾いていた。
渇きに耐えかねて天才への道を降りた、とも言えるしみんなを助けるために新しい道を切り開きに出た、と言える。
後者でありたい。


自分が正解だと感じた道を行き、正解にしていく。
これが幸せに至る道なんじゃないかと漠然と思う。
研究開発にも通じる姿勢だ...などとこじつけてみて、オチをつけてみる。