今日の業務

・昨日作ったサンプルの組成分析→ミス発覚
・来週の有機合成の仕込み
・実験データのまとめ

昨日早出残業して作ったサンプルが、僕のミスにより失敗作に。
久々の大失敗で凹んだが、同じ失敗をしない仕組みづくりをして、もう一回実験して尻ぬぐいするしかない。

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学習の転移の話。

学習行為(≒トレーニング)が、力を伸ばしたい領域(本業)にもプラスに作用する。これを転移と呼ぶ。
英語のリスニング力を上げるため、発音を意識した音読をやる。脚を速くするため、ウエイトトレーニングを行う。
英語が聞き取りやすくなったり、タイムが良くなったりすれば、転移が生じた事になる。


僕の実感では、トレーニングが他領域の力量アップに及ぼす効果はごく僅かだ。
例えば、トレーニングとして種目Aをやる場合を考える。トレーニングした際の効果量を青線で示した。

図0


種目Aの向上により、関連性のある種目Bへもプラスの作用(波及効果)が及ぶ。これがトレーニングをやる目的だ。
しかし、この波及効果量は、案外低い。
そして、関連性の低い種目Cにはほぼ波及効果が無い。
(ちなみに種目間の距離は人によって異なり、距離を近づけていける能力≒運動神経と言いたい)
 

そして最近気づいた事は「トレーニングをやり込んでも、本業への波及効果量は殆ど上がらない」という事。
トレーニングを必要以上にやりこんでも、そのトレーニング種目が上手くなるだけ。
ここでも図を見てほしい。やり込んだ時の効果の伸びを赤線で示した。

図1


種目Aをやりこむと、種目Aへの効果=競技力向上は大きい。
しかし、少し外れた種目Bにおいては、種目Aほどの効果量アップはみられない。
トレーニングをやり込む事による疲労量に見合わない僅かな効果しか得られない。

高2の秋、背筋を50回3setで鍛えたら、800mが速くなった。
しかし背筋運動を50回5setにしたり、背筋台で強度を上げたりしても、それ以上800mが速くなることはなかった。
社会人での英語の勉強でも、英文のシャドーイングを通しで10回やっていたところを5回に減らしても、リスニング力の伸びは変わらなかった。
最終的に3回まで削ったが、10回やっていた時と変わらない伸び率だった。


大事なのは「トレーニングにおける"波及効果の立ち上がり率"を見極める事」だと考えている。
トレーニングはコスパが高くもなり、低くもなる。
トレーニングは着手した比較的初期の段階で、波及効果の殆ど(体感で8割程度)が発現している。
それ以上攻めても、波及効果は頭打ちになる。
グラフにすると以下のイメージになる。

図2


波及効果と労力の関係は、僕の実感では以下の通りだ。
体感できる効果量を100と定義する。
・波及効果を100得るためにやったトレーニング量を1とするならば、
・波及効果を110(約10%アップ)にするには、トレーニングを2(2倍)やる必要があり
・波及効果を120(約20%アップ)得るには、トレーニングを3(3倍)やらなければならない

効果を20%割り増すために3倍の労力を払わなければならないのは、非常にコスパが悪い。


トレーニングをコスパ良く押えるにはどうすればよいのか。
僕の見出した解決策は"疲労を感じる前に切り上げる"事だ。
やり込みすぎると、疲労による出力ダウンや気力の消耗が重なり、トレーニングの効果は逆に下がる。
なので、疲労が生じる手前、具体的には「物足りない」で留めておくのがベストだと考えている。

英語であれば、4~5分の英文を3回通読/通聴する程度。
腕立て伏せであれば20回を3~4set。
100mダッシュであれば4~5本。