今日の業務
・有機合成 2バッジ
・溶剤組成の分析 ガスクロ
・製品ガイド(英文)の見直し

有機合成の日は早出残業になる。
早朝トレーニングがさらに早起きになるが、走れるだけありがたいし、仕事があるのがありがたい。

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大人になってからの上達の話。

どうすればもっと上達するのだろう、とずっと考えている。
自分の身体で色々と試してみて、だんだんと見えてきた。

結論から言うと、上達に必須なのは、その技能の"地図"だ。
地図とは何か。言葉にするのは難しいが、
・コツよりももっと包括的なイメージ
・スタート~ゴールまで、身体がどう動いていくのかという流れ
・流れの大きさ・速さ・向き...を鳥瞰した視点
こういったイメージを地図と呼んでいる。

大人になると地図ができにくくなるようだ。
心身の可塑性とある程度相関があるようで、大人になると子供のように「いつの間にかできるようになっていた」は無くなる。
頭が固くなるからだ。

ここで、上達に必要と言われているのが"分習法"だ。
分習法とは、技能を細かいブロックに分けて、各ブロックを個別に練習し、習熟度を上げていくやり方。
分習法に対応するのが全習法で、分習法で各ブロックを磨く→通し練習(全習法)でつなぎ合わせる。
例えば、単語・フレーズを覚えてから英文を読み込む。指の運びを練習してから曲を弾いてみる。
学校教育の中で、誰しも経験があるだろう。

僕が強く実感したのは、"分習法は地図が出来上がっていない段階では無意味"という事だ。
流れが分かっていないと、トレーニングを技能に最適な形として落とし込めない。
僕自身、分習法を最初に持ってくると、必ずトレーニングのためのトレーニングになってしまった。
100m走では、スタート練習で速くなったスタートの勢いを中間疾走まで持っていけなかった。
技術営業の勉強でも、銘柄の名前を暗記しても、実際の商談では記憶から引き出せなかった。


分習法自体は悪くない。順番の問題だ。
まず頭の中に"地図"を作り、そのうえで分習=トレーニングで磨きをかけるべきだ。
気をつけなければならない点は、分習法を活かすにはセンスが問題となる点。
ブロックを繋ぎ合わせるセンスが要る。
このセンスは俗にいう"運動神経""閃き"だと思う。先天的な部分が大きい。
ブロックをどこまで分解するかはその人の感性レベルに依らなければならず、鈍い(と自覚している)人ほど、そのままの形=なるべく本番に近い形に留める必要がある。
僕の場合、ウエイトトレーニングまで要素分解してしまうと脚の速さに結び付かないが、より走りに近いジャンプトレーニングだと効果を実感できる。


最初の問いに戻る。地図を作るにはどうすればいいのか。
思うに「本番に似た形式をひたすら繰り返す」事でしか地図は得られない。
・100mなら100mを通しで走り込む
・英語なら長文を通しで聴く・読む

ポイントは意識を置きすぎない事。
人間の意識は想像以上に視野が狭く、認知のゆがみも生じる。
感覚を身体で掴み取る事で、大きく正確な地図ができる。

この「ひたすら繰り返す」方法は、体力気力が有り余る若年期に取られがちな戦略だ。
しかし、むしろ大人になってからの方が、全習法の重要性は増すと思っている。
頭が固くなって地図が作りにくいのであれば、何回もなぞるしかない。
大人の強みは継続できることだ。
1日が短いので、他のやり方に誘惑を感じる暇がない。
この継続性を武器にして、心身が壊れないギリギリの高頻度で通し練習を組むのが、大人初心者の最適解だと考えている。