僕が一番しっくりきた成長戦略は"習うより慣れろ"です。
理論をかき集めて頭をひねった時に限って、力がつきませんでした。
そんな空回りを経て、私なりの"脳筋理論"が出来上がりました。

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■最初の数年間は独論を挟まず与えられた事をこなす
今、仕事を振り返って痛感しているのが、力をつけるには「信じきって没頭する」ことが不可欠という事です。

多少まずいやり方でも、信じきる事で効果は倍増します。
例えば、効果が70%程度の手法でも、100%信じきると、70%の力がちゃんとついてくれます。
それに対して、100%の効果が見込まれる"効果的"なやり方も、疑いをはさむと実行効果はほぼゼロになります。
私の経験上、「効果が高いやり方」というのは、その職場に特有のやり方・先輩方が通った道です。
なぜなら、科学的な効果こそ中程度ですが、手法に血が通っているのを感じられる→信頼度が上がるので、最終的な効果が高くなるからです。

私はこの2年間、上司のやり方を徹底的になぞりました。
私の上司は、どんな細かな試験でも、結果が出た瞬間に顧客へ連絡します。
最初は「こんなに神経質に連絡送らなくてもいいじゃないか」と無駄だと思った時もありました。
しかし、上司のやり方を徹底的に反復することで、「この時にはこうしたらいい」というタイミングが見えるようになってきました。

■直感が育つのは早くて数年後
経験上言えることは、「数年間の下積みを経て、ようやく思考の確度が高くなり始める」という事。
新入社員の時点で「まず考えてから行動を」などというのは、下積み時代を忘れた誰かの理想論でしかないと思っています。

自分なりの設計図がない状態でやる試行錯誤は、同じ場所を回るだけでした。
上司のやり方をなぞる前は、「このデータは要らないだろう」と勝手に解釈していました。
しかし、のちにそのデータが顧客の求めているものであり、データを二重取りしなければいけなくなりました。
今思い返すと、自分の中に「こうしたらいい」というやり方が確立されていなかったので、反省も場当たり的なものになって、同じ失敗を繰り返していました。
反省をするためのフレームワークは絶対に必要です。

■9の行動→1の思考のサイクル
どれだけ鍛錬を積んでも、実際のデータが得られるのは手を動かした時のみです。
新しい推論を組めるデータを揃えるためには、熟練者であっても相当な実働が必要です。
そして、熟練者ほど実働を厭いません。

私の経験では、行動を9積んで、初めて1の思考ができます。
その1の思考で、次の9の行動方針を決める。
こういうサイクルのようです。

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結局、「○○が足りないから力がつかない」のではなく「そのやり方の体系を掴めていないから力がつかない」のかなと。
経験が足りない時点で考察をすると「足りないものを埋め合わせるトレーニングをしよう」という結論に達しがちで、そうすると本質の体得から離れてしまいます。

やり方の体系を獲得するには、脳筋的にやりこむのが一番の早道だと思っています。