私は素朴な味わいのヘルシーな料理が好きです。
ここ数ヶ月は、長時間煮込んだカレーに凝っていました。
色々試すうち、失敗に対して鼻が利くようになりました。

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■週1回「10時間煮込んだカレー」を作ってきた
カレーを作るようになったきっかけは、2か月前に炊飯器を新調した事です。
炊飯器に「スープ煮込み機能」がついていたのです。

煮込む時間が長いと美味しくなる代表的料理はカレー。
僕はカレーが何よりも好きです。
せっかくだから、と本格カレーを作る事にしました。

週1回、早朝にカレーを仕込んで出社→勤務時間(約10時間)煮込んでカレーを作り続けました。
最初は散々でした。
・カレー粉の量が少なすぎて単なるポトフになった
・野菜の甘みが引き出せずただ塩辛いだけになった
・サバ缶を使ったら生臭くて×

しかし、2週間前(7回目の試行)を境に、何をどれだけ入れたらいいか、コツというものを掴めるようになってきました。


■旨味を生み出すファクターが分かってきた
カレーを作るにあたって、まずはカレーの作り方の大枠を決めて、変数を幾つかに絞りました。
・大枠:炊飯器の設定(煮込みコース)、入れる具材(玉ねぎ、トマト缶、肉、大豆)、カレー粉(SB製)、塩の量
・変数:肉の種類(牛鶏魚...)、野菜の種類(ジャガイモ人参ナス...)、カレー粉の量...

一度に変える変数は1つだけにしました。
「玉ねぎをもっと入れて、トマト缶をもっと使って...」と一度に色んな変更を加えたくなったのですが、手を加えすぎると、美味しいカレーが出来ても、何が美味しさに効いたのかが分からなくなる。
それは嫌だと思ったので、あれもこれも入れたくなる手をぐっとこらえました。

その結果、だんだんと知見が貯まってきました。
例えば
・玉ねぎは大1玉以上入れても味が飽和するだけ
・トマト缶は1/2缶が最適値
・肉は鶏ガラが一番美味い
・カレー粉は大匙1杯が調和よく〇

開始時のレシピは適当もいい所でした。
それでも、回を重ねるごとに、ちゃんとした形になってきました。


■有効な手法は「変えるのは1つだけ」「守りに入らない」
今回の勝因は、一度に1つだけ変え、他は今まで通りで進めた事。
1つずつ変える事により、何が味わい深さに効くのか把握することができました。

学んだ事は「変えるところは勇気を出して変えて、きちんと失敗すべき」だという事。
失敗した分、鼻が利くようになりました。

ある時、カレーに使う肉をサバ缶にしました。
牛肉である程度上手くいっていたので、変える必要はありませんでした。
しかも、サバ缶を使うと魚臭さが凄まじく、涙目になりながら食べきりました。

しかし、この試行から「青魚を長時間煮込むと激臭がする」という活きた知見を得ました。
そして「青魚の臭みは追いスパイスでは誤魔化せない」「煮汁ごと入れたのが失敗だった」というように、事後処理・反省の段階でも芋づる式に知見が貯まりました。
かつ、「青魚を使う際は追いスパイスよりも事前の臭み対策をすべき」「臭み対策は煮汁を捨てる」のように、次により良いものを作る対応策まで学べました。
料理本やネットでは流し読みになりがちなポイントを、的確に血肉にできました。

上記の「変えるのは1つだけ」「守りに入らない」は、独学で何かを形に持っていく際のコツにも通ずると実感しました。

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最後に、今現在のレシピ(3合炊き炊飯器を使用、4~5人前)を貼っておきます。

材料(3合炊き炊飯器、4~5人前)
①玉ねぎ大1玉、お好みの野菜
②大豆100g、水100mL
③鶏ガラ1羽(無ければ鶏もも1枚)
④トマト缶1/2缶
⑤カレー粉(SB製)大さじ1、塩大匙1

調理方法
①をみじん切りにする
②を混ぜて水戻しする
炊飯器に③→②→①の順番で投入
炊飯器に④⑤を投入する
炊飯器の煮込み機能(無ければ炊飯→保温モード)をONにする