製品の安定性を確認する「貯蔵安定性試験」はとにかく地味な試験。
これを完遂できるかどうかは、仕事の評価に直結します。
当社の実験の8割はこうした地味な試験です。

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■「貯蔵安定性試験」は非常に重要な試験
この試験は、お客さんが安心して製品を使う指針になります。
打合せ時に「この製品は50℃で1年間持ちます」と自信をもって言えると、お客さんは安心して海外の暑い地域にも製品を輸出できます。

また、貯蔵安定性試験をきちんと行う事で、のちの品質トラブルを予防できます。
当社では、かつて貯蔵安定性試験を甘めに打ち切った製品が、品質トラブルを起こし、保証金騒ぎに発展したことがあります。
BtoBにおいて、客先が持つ装置を止めたら大問題になります。
なぜなら、その工場から下流の全ての産業があおりを受けるためです。

こういった教訓から、当社では必須項目の1つになっています。
おそらく、他の化学メーカーでも重要度は高い試験でしょう。
 
■貯蔵安定性試験はとにかく地味
当社における貯蔵安定性試験の概要は、以下の通りです。
①製品をビン詰め
②恒温室に静置
③一定期間ごとにデータをとる
...見ればわかるとおり、非常に地味です。

この試験の怖い所は、サンプルが入り乱れる点です。
研究開発の現場においては、試作品をとにかく作りまくります。
そのため、複数の試験が同時並行になり、どのサンプルをどこまでデータ取ったか把握しきれなくなるのです。
今はoutlookのスケジュール機能で、何とか忘れずに済んでいる現状です。

■1年間地道にデータを管理し続ける力が不可欠
この試験、ハッキリ言って私は超苦手です。
私は元来飽き性+間隔を置いて計画を走らせるのが苦手だからです。

この試験に強い人は、地道な収集作業に情熱を持ち続けられる人です。
情熱の一端を担うのは、データへの責任感。

こうした地味かつ泥臭い仕事に対応できる力も、企業のR&Dには必要不可欠。
しかも、その比率は世間の想像以上に高いと実感しています。

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R&Dでは、刻々と最前線に立つ試作品が入れ替わる中、それらを正確に把握し続ける才覚が必要です。
そこで力となるのは単純な暗記力ではなく、それら1つ1つに対する責任感です。
責任感が生まれるには、その仕事に意義を見出せるかどうかがカギだと感じています。