学生時代の私は「とにかく結果を出す。そのためには万難を排し、どんな労苦も惜しまない」という考えでした。

企業の研究開発においては、上記のストイック的思考ではうまくいきませんでした。

 

しかし、丸5年勤める中で、徐々に考え方が最適化されていき、うまくいく割合が増えたと感じています。

今回は「企業の研究開発において役立った考え方」を3つ紹介します。

 

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■時間が解決してくれる

一番大きかった変化は、「上手くいかない時、検討を重ねれば状況が自然と変わる事」を知ったことです。

 

これは本当に不思議なのですが、一見無駄に見える変数を変えていったら、何故かうまくいく事が多々あります。

(お客さんの都合で無理な要求が要らなくなり、検討そのものを中断できるケースもよくあります)

 

現場レベルで大切だと感じているのは、「無心になって手を動かし続ける」事。

そして、手を動かし続ける気力体力を保つために、結果に一喜一憂しない事です。

 

「とにかく手を動かすと、いずれ上手くいく」メカニズムですが、私は「無意識のうちに現状把握→解決策の選定を行っている」ためと考えています。

頭の中の小人の力は偉大で、勝手に最適解への道筋が熟成されていき、導かれるのではないかと。

 

 

■楽しんだ者勝ち

研究開発の仕事は、思ったよりも単純なので、退屈に陥る事が多々あります。

仕事において、退屈はとにかくつらい。

特に動きながら考える性の人は、仕事が無いと脳が腐っていく感覚に悩まされます。

 

退屈に毒されないテクニックとしては、自分の得意な仕事・やりたい仕事に結びつけられるように仕事をデザインする事。

例えば、私の上司はデザインが好きで、技術資料の設計プロジェクトを立ち上げました。

私自身は、文章を書くのが好きなので、どんな実験でも、研究報告書を作るようにしています。

 

退屈で腐らないために、自ら面白さのポイントを仕掛けていくのです。

 

 

■意識して人助けをする

研究開発は人に感謝される機会が少ないです。

そもそも人と会話する機会も少なく、気が付いたら誰とも話さないまま退社、という日すらあります。

こうした状況は、心の中に鬱々とした霧がため込まれて、非常に危険です。

 

個人的な経験でしかないのですが、意識して同僚の役に立とうとした時、心の霧が晴れました。

 

・大雨で電車が運転を見合わせた時、同僚を家まで車で送る

・重い荷物を運んでいる同僚の荷物を半分持つ

こうした小さい人助けです。

 

日々の小さな感謝の積み重ねが、非常に大きな「生きる力」になってくれると感じています。

 

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忙しさと退屈と、相反する厄介な要素が同居するのが研究開発。

うまく波に乗り、かつ澱みを押し流す技術が要ります。

私自身、上記の技術を意識してから「辞めたい」と思う頻度が激減したと感じています。