私は某メーカーにて研究開発に就いていますが、仕事の大半はルーチンの雑務だという実感があります。

 

試したい事が目の前にあるのに、降りかかる雑務に邪魔されて、1ヶ月間手出しできなくなった時もありました。

 

就活で耳にする「R&Dのやりがい」を感じる瞬間は、月に1回あれば良い方です。

 

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■企業のR&D勤めの私の仕事内容

 

私の仕事内容を、以下にざっと棚卸ししてみました。

・実験

 ・仕込み:ガラス製のフラスコに原材料を投入→組み立てる

 ・反応:加温→反応開始剤を投入→待ち

 ・後片付け:反応物がべったりついたフラスコを手洗いする

・分析

 ・ルーチン分析:自分がやる時もあれば、作業員の方々にお願いする時も

 ・新しい分析手法の確立:1年に一回あるかどうか

・デスクワーク

 ・実験の週間結果の報告書:だいたい3~4テーマを抱えているので、膨大な量になってしまう 

 ・上層部へ見せる研究結果の報告書(いわゆる月報):たいていが管理職の仕事

 ・特許調査:ある意味一番楽しいデスクワーク。ただ嫌がる人は多い

 ・実験の処方作成:Excelシートに原材料の配合量を記載するのみ

 ・ヒヤリハット報告書:ただただ面倒くさい

 ・カイゼン報告書:以下同文

・会議

 ・安全会議

 ・進捗ミーティング

 ・小集団活動

 

 

■仕事の9割以上は雑用レベルの「作業」

 

言い方は非常に悪いですが、上記の仕事の大半は「慣れてしまうとサルでもできる」レベルです。

 

作業レベルの簡単な業務が大半なのは、以下2つの理由があります。

 

まず、企業は安全第一であること。

複雑な手順は事故を招きやすいので、できるだけシンプルな形に落とし込んでいます。

 

次に、人材の回転が速いこと。

当研究所では、部署内外の異動が活発で、当研究所20人のうち1年に3~4人は抜けてしまいます。

担当者が変わっても=誰がやっても同じ結果が出せるように、徹底的にマニュアル化されているのです。

 

例えば...

 

実験→手順は徹底的にルーチン化

・頭を使うのは原材料の配合比のみ

・全く新しい手法を確立するのは、それ自体が新規テーマとなる

・↑に取り組んでいるのは20人中12人、テーマ自体も数年に1度あるかないか

 

分析

・ルーチン分析は手順が厳密に定められている

 

デスクワーク

・報告書の類は全て書式が定められている

 →研究結果を書式に当てはめるパズルゲーム

・実験の処方も、フォーマットが決まっていて毎回使いまわし

 →手を加える部分は原材料の配合比のみ

・ヒヤリハット報告書、カイゼン報告書も、もちろん書式を使いまわし

 

会議

・研究職だからといって、特別な発言があるわけでもない

・当たり障りなく議題をやり過ごすのが大半

・まれにブレインストーミングが行われるが、上司が一方的にしゃべるだけだった

 

 

■「研究職としてのやりがい」を感じるのは1ヶ月に1回あれば良い方

 

私自身「仮説がハマった」「お客様から良い評価をもらった」という実績を得るのは、仕事全体の0.1%程度です。

しかし、やりがいを感じる確率が低い分、感じた時は天にも昇る快感です。

 

企業の研究職は、単調な日々の積み重ねに耐えられるかどうかがとりわけ強く求められる職種だと感じています。

 

なので、企業の研究職として採用されたい・働きたいと強く願うのであれば、

・やりたい事が目の前にある

・しかし、雑用が邪魔して実行できない状況

 

これにどの程度・どうやって耐えられるのか、自問しても良いと考えます。

 

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仕事の大半はどの職種でも経験できる「雑務」「作業」なので、無理に研究職にこだわる必要も無いと感じます

 

理系の大学院→研究職、というコースは、全体から見れば実は少数派。

 

固定観念に縛られず、色んな職種を希望してみるのもアリです。