実は、社会人2年目の冬~3年目の春にかけて、半年ほど短距離に転向した時期がありました。

それまではフルマラソンに向けてトレーニングしていたので、まさに心機一転。

 

練習量は週6で朝90分とガッツリ。

 

当時のメニューは

60mx10

・スパイク走100mx16

・バウンディング100mx10

 

我ながら練習量はピカイチでした。

 

ウエイトの数字も、最終的に中々のところまでいきました。

・ベンチプレス:65kg

・スクワット:110kg

・デッドリフト:90kg

 

しかし、春に出た記録会では、100mはまさかの14秒台。

200m30秒台と、鈍足もいいところ。

 

かけた時間・体力・気力に対して、「えっこれだけしか?」というリターンしか返ってきませんでした。

 

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■数値を上げる事しか見えていなかった

 

当時の自分は「トレーニングで速い人と同じ数値を出せれば、その人と同じだけの走力がつく」と思い込んでいました。

 

・ウエイトのMAX

・スプリント走のタイム

・同じタイムで行ける本数

 

こういった「見かけの数値」を達成しようと躍起になっていました。

 

今思い返すと、今の自分の弱点はどこか分析する視点が無かった。

これが、トレーニングに失敗した最大の原因だと感じています。

 

また、当時は弱い所が分かっていても、弱点にアプローチするトレーニングに移れませんでした。

手を付けているトレーニングを中断せねばならない→体力が落ちるのではないかという不安に勝てなかったのです。

 

 

■要る/要らないという二元論で物事を考えすぎていた

 

当時の私は、自重トレーニングを軽視していました。

 

「腕立て伏せ?負荷軽すぎやろ」と思い込み、腕立て・腹筋・背筋など、基本的な補強運動は全くやらず、BIG3ばかりこなしていました。

 

その結果、大きな筋肉は付きましたが、それを活かしきる細かな筋肉・しなやかさが不足した身体になっていました。

 

「あらゆる練習・トレーニングは必要で、現時点のバランスに応じて組み替える」という大きな視点が無かったのです。

 

 

■量にこだわりすぎた

 

短距離走は最大出力が成果の9割以上を占めます。

 

しかし僕は、同じタイムで行ける本数を増やす方向へトレーニングを進めてしまいました。

今思い返すと、以下の懸念点(というか欲)があったためでした。

 

・本数を減らすのが不安だった(長距離マインドをリセットできなかった)

・出力では到底勝てないので、練習量で「すごい」と思ってほしかった

・消費カロリーを少しでも増やしたかった(太る事への不安)

 

短距離のトレーニングは、試合が近づくにつれて量を減らし、スピードを出すようにします。

しかし僕は、量を減らすべき時期になっても、相変わらず量を増やし続けてしまいました。

 

その結果、疲労が抜けず、記録会で散々なタイムをたたき出してしまいました。

 

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今思い返すと、「最大スピードは量でゴリ押ししても全く伸びない」という事を、痛いほどよく味わうことができた期間でした。

 

この学びは、少なからず、今のスプリント練習にも反映できていると感じています。


そして、上記の学びは広く勉強・研究・私生活にも応用できると感じています。

社会人になると「量に頼らず、質を高める」戦略が重要性を増してきます。

マインドセットしなおすのに、良い振り返りとなりました。