しかし、そのような方々と働いて何に感銘するかというと、スペックの数値の高さではなく、仕事への姿勢=前進しようとする熱意です。
熱意が高く感動した時もあれば、言いつけを守る子供と同レベルの思考しかできない人に出会って落胆することもあります。
今回は、後者の事例について思う事を書きました。
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■ミーティングで「結果の報告」しかしない研究者
私の同僚の一人に、どのスペックを見ても超優秀な方がいます。
・旧帝大卒→海外の大学院でD取得
・英語と中国語がペラペラ、TOEIC950点
・暇さえあれば図書室に籠って勉強
これだけ優秀な方なのですが、一緒にミーティングに出てみると、どうにも納得できない部分があります。
具体的には、自分のやった実験の結果をただ並べるだけで、「結論はこうだ」「次はこうする」といったアイデアが無いのです。
上司は毎回「...で、この実験の目的は?」と、遠回しに意見を求める始末
チーム員も「またか...」と呆れ顔です。
■大事なのは「改善を受け入れる姿勢」
個人的に問題だと感じたのは、この方が自分のスタンスを変えようとしない点です。
過去に何人かが「自分の意見・方針を持った方が良い」と伝えるも、その方は「僕はこのままでいい!」と拒絶。
私もなんとか伝えようとしたのですが、聞く耳を全く持ってもらえず、嫌な思いだけが残りました。
私自身、言い方・伝え方に良くない点があったと反省していますが、せめて一歩だけでも歩み寄る姿勢を見せてほしかった。
この一件でひしひしと感じたのは、「新しい領域を切り開くはずの研究者が、前に進む事を拒むのは、何か違う」という事でした。
■「報告」「解釈」「提言」まで揃えるのが研究者の仕事
実験をして結果を報告するだけなら、学が無くともできます。
言われたとおりに器具を組み立てて、スタートボタンを押して、出た結果を紙に書いて上司に伝えればいいだけです。
しかし、我々研究者に求められているのは、そんな次元ではなくて、「結果に確度の高い解釈を添えて」「大筋に沿った改善案を打ち出す→伝える」こと。
単なる報告者で終わってはいけないし、その現状に甘んじるのは愚だと考えています。
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私もシンドイ時などは「結果の報告マシン」に甘んじる事が多々あります。
自戒の意を盛大に込めて、それだけでは仕事に値しないと言いたい。
ここに書き連ねた分、僕自身もやらねばならない責任を果たしていきます。
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