ミスを防ぐ姿勢は、年々強めなければならないと痛感。
そして、これこそ、企業の研究開発で求められる能力の1つなのだと学びました。
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■現場試作、僕が組んだ計画にミスが発覚
先週、僕が組んだ試作計画を基に、開発品を10tスケールで製造しました。
その3日後、上司が製造記録を確認しました。
(まるで探偵のようですが、部下の報告の裏付けを取るのも、上司の仕事の1つです。)
その結果、とある薬剤の投入量を二重にカウントして投入してしまったことが発覚。
その処方を組んだのは、試作計画を担当した僕でした。
全体から見れば誤差範囲で、製品に異常はありませんでしたが、5年目にもなって初歩的なミスを防げなかったのは堪えました。
自分の詰めの甘さを痛いほど思い知らされました。
■立場が上になるほどアシストが外されていく
今回の試作計画は、ほぼ僕一人で組み、上司のチェックはありませんでした。
・直属の上司は異動したばかりで、その開発品について知識が無い
・その上の課長は、働き方改革のしわ寄せで仕事が山積み→チェックする暇がない
・そもそもこの開発品を一番知っているのは自分(いつの間にかなっていた)
それでも僕は、入社時と同じ態度で、「上司がミスを指摘してくれるだろう」という姿勢で資料を作っていた。
この「ケアレスミスに対する危機感の無さ」、もっと言えば「いつまでも新人気分で仕事をしていた事」こそが、今回の失敗の根本原因でした。
学んだ事は、「立場(入社歴)が上がるにつれ、ケアレスミスがチェックされる機会は減っていくので、自分自身でミスチェックの機会を作らねばならない」という事でした。
■必要なのは「100点間違いなしのテスト答案を敢えてもう一度見直す力」
ケアレスミスのチェックは、面倒くささとの闘いです。
しかし、大スケールで行う製造においては、ほんの少しのズレ・手違いが、雪だるま式に膨れ上がっていく。
なので、いかに簡単な計画といえど、1点の手違いも許されないのです。
この感覚は、テストで高得点を取る際の心構えに類似していると感じました。
テストで点を取る力は、大きく分けて2つあります。
・簡単なテストで99点ではなく100点を取れる力
・難しいテストで0点ではなく80点を取る力
企業の研究開発で求められる力は、間違いなく前者です。
なので、日頃から丁寧な進め方ができる人こそ、R&Dに向いていると言えるでしょう。
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今回は非常に手痛い失敗でしたが、その分大きな学びを得ました。
失敗を起こしてしまった際は、隠そうとせず、正直に打ち明ける事。
これが出来て初めて、失敗ときちんと向き合う→己の糧に昇華できると感じました。
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