研究開発者が自炊をすべき理由を大きく分けて3つ、以下に示します。
-------
理由①:いい仕事は健全な肉体から
僕が自炊を押す最大の理由です。
研究開発職は、精神力と体力が想像以上に求められます。
■精神力
・常に改善のアイデアが沸き上がるフレッシュなマインド
・サンプル調製が1ヶ月間失敗し続けても折れない心
・立て続けに仕事を振られても「ハイ!」と笑顔で応えられる明るさ
■体力
・現場で5階相当の階段を数十往復してもへこたれない心肺機能
・氷点下の中で3時間作業する打たれ強さ
・鉄板の入った安全靴を1日中履きこなす脚力
何よりも大事なのは、これら「精神力」「体力」を継続的に発揮すること。
毎日の不断の積み重ねがあって初めて「工業的に良いモノ」が作り出せるからです。
「精神力」と「体力」の2つを支えるのは健全な肉体であり、健全な肉体をつくるには、栄養価の高い食事が必要不可欠です。
実際、僕は入社してから風邪でダウンしたことは一度もありません。
理由②:試行錯誤のトレーニングの場になる
料理は研究開発に似ています。
料理も研究開発も、ともに以下の3ステップを踏みます。
①最初は処方通りに作る
②基礎が固まったら別の素材に手を出していく
③オリジナルの処方をくみ上げる
僕が料理をしていて「いいな」と思うのは、上記の各ステップにおいて「予想と違う」という失敗を経験できる事です。
・この魚には塩が合うと思ったけど、醤油の方が味が引き締まって良かった
・甘み付けに砂糖を使ったけど、みりんの方がコクが出て良かった
・蒸す時間を短くしてみたけど、やっぱりレシピ通りの時間がホクホクになって良かった
こうした失敗の積み重ねが、思考パターンのクセを矯正し、思考の確度を高めてくれます。
たとえ研究開発といえど、仕事では思い切った失敗ができません。
なので、気軽に失敗を経験できる場として、料理はとてもおススメです。
理由③:研究開発のセンスを磨く
研究開発で必要不可欠なのは、「○○には△△が合いそう」という素材の組み合わせのセンスです。
研究開発では、何をやってもうまくいかない泥沼にハマる事が多いです。
僕自身、この4ヶ月間、どれだけ手を尽くしても製品が安定して作れませんでした。
ようやく改良処方を見出せましたが、最後の一押しは「この薬品を削ったらいいんじゃね?」という直感でした。
この「何をやってもうまくいかない泥沼」にハマった時に頼れる最後の砦が、己の感覚です。
これをどう養うか。
僕は、この感覚(センス)は
・作った事のない料理をあり合わせの調味料で再現する力
・手元の食材で美味い料理を作る力
これらと力の出所が同じだと強く感じています。
なので、料理で疑似体験を積むことが、研究開発のセンス磨きにつながると考えています。
-------
日本の研究開発を支えるのは、研究開発者の健康があってこそです。
僕がこのブログで健康レシピの情報発信をするのも、ある意味日本の研究開発の一助となりえるのでは、と考えています。
これからは、「健康的で」「手間暇かけず」「そこそこ美味い」をモットーに、健康レシピを配信していきます。
コメント