情報を鵜呑みにせず、確実に血肉になるよう取り込む事ができるようになったためです。
(元がポンコツなため、まだまだ人並み以上の努力は必要ですが...)
では、情報を確実に取り込むにはどうすればいいのか。
僕が掴んだコツを以下に示します。
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■僕が少しの努力でうまく進むようになった理由
結論から言うと、「得た情報を取り入れる前に、一度立ち止まってみる」ようにしてみました。
例えば、
・英作文の参考書を買う前に、今使っているTOEIC本で英作文ができないか考えてみる
・ケトルベルのトレーニングを取り入れる前に、今までやっていた腹筋トレーニングを削ってみる
・重合物の組成を変える前に、溶剤組成の変更を考えてみる
まずは、今の自分がどのように「偏って」いるのか、感じてみます。
努力は一方向へ力を傾ける事。すなわち、どこかに必ず偏りができます。
そして、自分の偏りを良い方向へ持っていけるにはどうすればいいか、考えてみます。
得た情報を「自分の偏りを埋める」方向へ微調整するのです。
上に挙げた3例では、それぞれ以下のような「調整」をかけました。
・英作文の参考書を買う前に、今使っているTOEIC本で英作文ができないか考えてみる
→英語の教材が溢れ気味なので、量はそのままに新しい刺激を得られないか
・ケトルベルのトレーニングを取り入れる前に、今までやっていた腹筋トレーニングを削ってみる
→トレーニング量が過多なので、まずは量を減らして疲労を取る
・重合物の組成を変える前に、溶剤組成の変更を考えてみる
→今の重合物で安定した結果が出ているので、安定性は別の観点からアプローチする
■情報に踊らされるという事
昔の自分は、「今の自分の状態」を顧みることなく、良いなと感じた情報をそのまま取り入れていました。
たとえるならば、自分という幹に、新しい情報をベタッと接ぎ木するようなアプローチでした。
そうすると、最初はやった気になって力が湧くのですが、あっという間に努力が噛み合わなくなっていました。
今振り返ってみると、これこそが「情報に踊らされる」という事でした。
こうした過去の苦い経験から学んだのは、「今の自分の状態からシームレスに移っていく必要がある」という事でした。
■研究開発こそ「今を大事にした一歩」が決定的に大切
研究開発に5年間身を置いて強く感じるのは、突飛なアイデアは99.9%ボツるという事です。
残りの0.1%はうまくいくかもしれない。
しかし、大半の企業においては、その0.1%にコンスタントに投資できる余裕はありません。
(その0.1%はアカデミックの仕事だと、個人的に考えています)
企業における研究開発は、「小さな進歩を確実に重ねられる」事だと痛感しています。
そして、そのために必要なのは、現状の製品の強みを活かしつつ、一歩先の未来を見据える事です。
その「一歩」は自分が思う以上に小さい歩幅です。
例えば、
・10種類から成る原料の組成を1種類だけ変えてみる
・反応温度を5℃だけ上げてみる
・固形分を10%だけ上げてみる
こうした「現状を踏まえて、ちびりちびりと前に進む退屈さ」を面白いと捉えられるかどうか。
ここに、研究開発を成功させる秘訣がありそうです。
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焦らずに、まずは今の自分を眺めてみるのが大事です。
新しく魅力的なものに手を付ける前に、あえて立ち止まる勇気。
僕もまだまだ修行が足りないので、気を引き締めて、今の自分を大事にしていきます。
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