「知っている」から1つランクアップすると、「知っているし、頭を働かせればできる」段階へ到達します。

この段階は非常に幅広く、ここで足を止めてしまう事が非常に多い。

 

しかし、真のレベルアップを果たすには、この段階からもう1つステップアップして「無意識に反応できる」段階に行く必要があります。

 

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〇無意識に反応するまで反復したら、評価が上向いた

 

事例1: 上司への対応を「物腰柔らかに」、無意識にできるまで繰り返した

 

僕は機嫌屋という悪い癖があります。

つい最近まで、その日の機嫌が悪いと、上司に対して「はい?」と不愛想に対応してしまっていました。

 

私なりに「直さねば」と感じて、この1年間「物腰柔らかに接そう」と意識し続けました。

しかし、最初の2~3ヶ月はよほど強く意識しないと、不機嫌に流されていました。

8ヶ月かけてようやく、9割方は「ハイッ」と笑顔で対応できるようになりました。

 

その段階になって初めて、「お前、最近愛想が良くなったな」と上司から褒められるようになりました。

8ヶ月かけてようやく、でした。

 

 

事例2: 英語のリスニング、聞いた瞬間無意識に脳内変換されるまで聞き込んだ

 

TOEICのリスニング勉強中、「聞いた瞬間に文意がイメージとして把握できない文」に出会いますよね。

私の場合、例えば「I have retained the receipt」という英文は、「Ihave a pen」に比べると、格段にイメージしづらいです。

 

こういった「イメージしづらい文」に出会ったら、その都度「I have a pen」と同レベルでピンとくるまで聞き込んでみました。

 

これを3か月間続けると、初めて聞くTOEICのナレーションでも、1回でほぼ100%理解できるようになりました。

それまでは、どれだけ集中しても60~80%の理解度がせいぜいでした。

 

この2つの事例に共通するのは、「意識してやっている」状態から、「無意識に反応する」まで反復したことでした

 

 

〇知っているだけではほぼ成長できていない


「知っているだけ」の事を使うには、頭を働かさねばなりません。

 

頭を働かせる=余計なエネルギーを使っている状態です。

人の身体は賢くて、普段はエネルギーを節約しようとします。

すなわち、普段は頭をほぼ働かせていない省エネモードなわけです。

 

この省エネモードの時に現れる振る舞いこそ、「自分の本当の力」です。

体感ですが、「知っているが意識しないとできない」状態では、普段の行動の10%も変わっていない。

「知っている」だけでは、自分は何も変わっていない。非常に勿体ないです。

 

 

〇「知っている事をトコトンやり込む→無意識の行動まで刷り込む」事で初めて「上乗せ」できる

 

知識を次から次へぶち込むだけでは、「今まで覚えていた事」が廃棄されてしまうと感じています。

入れた分だけ吐き出されてしまうので、今までの努力と新しい努力がリンクしない。

 

するとどうなるか。

その場限りのパフォーマンスしかできなくなり、再現性が得られず、やった事が資産になりません。

せっかく時間と気力体力を投資して努力しているのに、それが資産にならない事は、よく考えてみると恐ろしい事です。

 

ならばどうすればいいのか。

私の答えとしては、入れた知識が馴染む=無意識に反応できる段階まで徹底する。

ここまでして初めて、「今までの自分」に「新しい自分」が上乗せされる、と感じています。

 

今までの自分というベースの延長線上に居続けることができる。

この状態になって初めて、本当の成長があると実感しています。

 

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一見するとやり慣れた課題でも、「本当に得るものは無いのか?」と自問するようにしましょう。

 ・この英文、2倍速でも聴きとれるのか?

 ・この筋トレメニュー、回数を倍にしてもこなせるのか?

 ・この仕事、自分1人でも100%回せるのか?

 

すると必ず「磨き残し」が見つかるので、焦らず腐らず、11つ磨いていきましょう。

私もまだまだ発展途上です。