最近、仕事がうまく回っています。

振り返ってみると、「人として当り前のことをちゃんとやるようになった」「無理に効率を求めないようになった」からだと分かりました。


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以下、僕が試して効果のあった5つの具体例を紹介します。



1. 上司・同僚のアドバイスを素直に実行する


「とりあえずやってみよう」で見えてくるものが想像以上に多いのが研究開発です。


たとえば、僕がこの1週間で経験しただけでも、


 ・品質管理でたまたまエラーになったサンプルをあえて追加分析した→想定外の品質悪化リスクが隠れていた

 ・「○○は効きそうだから」という先輩の直感に従ってみた→実際に性能が大きくアップした


大きな「たまたま」が2件も隠れていました。


モノづくりにおいては、何が起こるか分かりません。

自分の勝手な判断で行動の幅を狭めないのが大切です。


「自分より低学歴だから」とアドバイスに耳を貸さないのは、総合職にありがちだが、一番やってはいけません。



2. すぐ手を付ける


言われたことをすぐやることで、新しい事が舞い込むスペースができます。

言われたその場で手を付ける、遅くともその日中には何かしらのアクションを取るのが肝心です。


たとえば、

 ・サンプリングした検体はその場で分析可能な形にまで加工しておく

 ・残り少なくなった試薬を気づいたその場で発注しておく

 ・思いついたアイデアを実験処方の形にまで仕上げておく

こういった「すぐやる」で、思った以上に研究が捗りました。


かつての僕は、「論文で○○と書かれていたからやらない」という姿勢でしたが、得られた成果は少なかったです。

当時は「頭を使えて研究できている自分カッコイイ!」と悦に浸っていましたが、今思い返すと、単なる頭でっかちでしたね。


 

3. 実験データを小まめに書き残す


PCにデータを格納していくと、次第に格納場所が混線してきます。

企業の研究開発では、いつどのタイミングで新しい案件が生まれるか分からず、しかも古い案件のデータも取っておかねばいかず、案件フォルダが増殖する傾向にあるからです。


たとえば、僕の部署の共有フォルダには、「○○案件」「△△案件」など、案件別のフォルダが100個近く並んでいます。

しかも各案件フォルダの中に、Excelファイルが数十個単位で格納されています。


会社から支給される低スペックPCでは、フォルダに入るだけで10秒→Excelを開くのに30秒~1分かかってしまい、非常にイライラします。

もっと厄介なことに、データを開いている間に、上司とディスカッションする機を逃してしまいます。


この点、実験ノートであれば、引き出す→確認するのに5秒もかかりません。

これまでの検討の軌跡を振り返る機会は必ず出てくるので、絶対に記録は残すべし、です。


 

4. 午前と午後に各10分の運動をする


運動すると、思った以上に頭がクリアになり、脚も軽くなって作業が捗ります。

軽い興奮状態になり、「作業をしよう!」と前向きになれるのがポイントです。


コツは「脚が軽くなるような運動をする」ということ。

脚が重くなるまで頑張ってしまうと、作業現場に出るのが億劫になり、却って仕事が捗りません。


今の僕は、誰もいない部屋でこっそりシャドーボクシングをやっています(不審者ですみません)。


これまでにやった運動で「脚が軽くなった」種目は

 ・剣道の素振り

 ・腕立て伏せ

 ・ゴルフの素振り

などがありました。


上半身も動かすことで、下半身を疲れさせることなく血流が良くなり、脚が軽く回るようになるようです。

 


5. 無理に本を読もうとしない


一番効果があったのがこの項目です。


忙しい時間から読書タイムをひねり出しても、思ったより頭に入っていないし、頭が疲れるだけでした。


たとえば僕は、入社3年目には


・お昼休みの10分間

・仕事を早く仕上げて浮いた5分間

 ・実験室~デスクの往復の1分


これらの隙間時間で論文を読みあさっていました。

しかし、常に頭が働いていると、却って疲れてしまい、読んだ内容は頭に入ってこない。

しかも、割り振られた業務の効率さえも低下してしまいました。


忙しいときは仕事に集中しきる方が、長い目で見て得られるものが多かったです。


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こうして振り返ってみると、「人として当り前のことをちゃんとやるようになった」「無理に効率を求めないようになった」のが、仕事の効率アップに大きく効いているなと感じました。


時間術など小手先のテクニックに拘る前に、まずは一人の人間として責任ある行動をきちんととる。

それが、良いモノづくりのキモの1つなのでしょう。