とある三十路研究職の実験ノート

とある民間企業の研究開発者。管理職突入手前の30代。日々のアレコレを思うがままに綴ります。時々マスターズ陸上(短距離)。

2021年07月

研究開発に身を置いていると、年次が上がる毎に、製造部署との距離が近くなる。僕の場合、入社1年目はほぼ接点がなかったが、入社2年目の品質改善を皮切りに、週に1回はやり取りをするようになった。僕の部署の課長などは、毎週1回は生産会議に出席し、製造部の方々のアツい ...

僕は一応研究開発職だ。「一応」なので、研究開発者らしからぬ未熟な点が多々ある。例えば僕は物事を物理数学的に扱うことができない。頭の中にあるのは常に「その言葉が持つぼやっとしたイメージ」と「これまでの経験から予想される結果」だ。高分子の反応といえば、ミミズ ...

人当たりが良い(無難に受け答えできる)ことは、ある意味で成果を出すよりも重要視される。企業の研究所はある種の土着性がある。研究所とはいえ、大型の機械も多数保有している。そういった機械を扱うため、現地採用の社員が多数いる。また、総合職であっても、異動する機 ...

主任(主査ともいう)は、ヒラ社員が最初に昇格して納まる地位だ。序列を以下に示すと、ヒラ社員→主任(主査)→係長(主任研究員)→課長(主席研究員)→部長(所長)...したがって、主任(主査)は管理職ではない。世間でのイメージは、どうやら「主任はチームのまとめ役 ...

僕は300m系のメニューが苦手だ。200mは加速区間で上げたスピードを維持するだけで到達できるが、300mはアクセルを再度吹かさねばならず、体力をべらぼうに使うからだ。でも速くなるためにはやらねばならぬ時がある。鍛錬とはそういうものだ。そんな時、僕はなるべく練習の始 ...

昇級すればするほど「人・モノ・金」の考え方に沿う事が大切になってくる、と所長から言われた。当社の昇級は、近年加速度的に難しくなっているらしい。このご時世、当然と言えば当然だ。会社にいるだけで当たり前に上に上がれたのは過去の話で、僕自身もそんなぬるま湯は望 ...

この1週間、僕は樹脂溶液のサンプルの温度-粘度カーブの作成に夢中になっていた。温度-粘度カーブとは、所定温度における粘度の測定値をプロットしたものだ。実験手法としては、樹脂溶液を加温して、温度を測って、すぐさま粘度を測定するというもの。非常に面倒くさい。各手 ...

入社して7年経ってしみじみと感じるのは「あれ?俺、研究開発じゃなくても良かったんじゃね?」という何とも言えない思いだ。営業、知財、製造の方々と何度も話を重ね、現場に足を運び、自ら業務をした(とはいっても触りレベルでしかないが)中で感じている。そう、研究開発 ...

今日の午前中、僕は試作サンプルの比重測定をしていたこの比重測定は、ルーチン実験の1つだが意外とセンシティブで、試料の溶液中に泡噛みが許されないなど、測定者の技量が問われる実験だ。測定自体は他の方が担当で、僕は必要な物を横から手渡しする助手をやりつつ、測定の ...

タイトルは今の僕の悩みでもある。当研究所では、何か手を動かしていることが「仕事をしている」と評価されがちだ。逆に、じっくりと思考を巡らせている姿は、周りからすると何もしていないように見えてしまう。だから周りの目が怖くて、つい些細な作業に逃げてしまう。居室 ...

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